会員No.39「seed village」種村拓哉(たねむら たくや)さん

【後編~人々の日常生活に根差す店を~】

00393

*2010JBC**・セミファイナリスト*

コーヒー業界の夏は、とても熱い。毎年9月に東京で開催される「SCAJ」というコーヒーの展示会において各種競技会の準決勝・決勝ステージが用意されているからだ。年を追うごとにハイレベルな内容が求められるバリスタの大会「JBC」も然り。出場するバリスタの多くが現場スタッフであるため、店舗営業と並行して大会準備を進めなくはならない。必然的に出場者は本番が終わるまでは、かなりハードな日々を送ることになる。

種村さんは東京・表参道の有名店「アニヴェルセルカフェ」に勤めていた2010年当時、100名以上が出場するJBCにおいて、見事予選を突破した経験を持つ。準決勝の舞台に立ったトップバリスタの一人なのである。それ以降は出場していなかったというが、2014年は4年ぶりにJBCに取り組んだ。本番は割と緊張する方らしい。ただ今年の競技は98%思い通りに出来たというから凄い。その手ごたえは返ってきたジャッジスコアシートにも反映されており、十分に満足のいく結果であったという。

*お客様からのフィードバック*

大会以後チャンピオンの味を分析し、お店のブレンドを以前よりもフルーティな味わいにすることを試みたという。その際何も言わずとも多くの人がその変化に気づいたとか。誰でも飲食店を利用すれば色んなことを感じると思うが、ポジティブにしてもネガティブにしても、その意見や感想を店側に伝える人が果たしてどのくらい居るだろう。「シードヴィレッジはお客様からのフィードバック率が高く、とてもありがたい。」と種村さんは話す。それはきっとリピーターが多く、普段から密にコミュニケーションを取っている賜物であろう。

00394

*大切にしていること*

種村さんがいうには普段から「お客様がなぜここへ来たのかを想像し、理由を考えることを」大切にしているという。コーヒーが飲みたくて来たのか、雑誌の紹介を見て来たのか、それとも一人で営業しているから応援して来てくれたのか。理由を考えることで、次の行動と接客に繋がるという。確かに、訪れる人は皆どこか楽しげで満足そうだ。

コーヒーが美味しいのはもとより、種村さんの「お客様に寄り添うような」接客スタンスこそが、シードヴィレッジの一番の魅力かもしれない。やはりお店は「人」であると強く感じた。ぜひお店を訪れ、彼の作るコーヒーを味わってもらいたい。おすすめはカプチーノ。なめらかな口当たりが楽しめる、まさに「絶品」である。

文・写真 山口美奈子

*店舗情報*「COFFEE STAND seed village」

住所:福岡市中央区大名2-4-31

営業時間 月~金:8:00~21:00 土:10:00~17:00

定休日 日曜・祝日