会員No.30 原田卓さん Suguru Harada
福岡市中央区春吉・OPIUM ( オピューム ) オーナーソムリエ。
1974年12月22日2時22分 福岡県甘木市生まれ。
ピース!! 2、に 祝福されるように生まれてきた 原田さんは、西南学院大学へ進学のため 福岡市内へ。
お洒落が大好き!とにかく格好つけたかった とんがった少年は、西通りの とあるDCブランドショップに 足繁く通っていた。
当時のカッコいい若者に 例外なく バーにも 足繁く通ったが、この頃 よく飲んでいたのは バーボン。( 格好いい!)
では ワインは? ( なんだか 妙に格好つけ過ぎてて イヤだ!) と 興味が無かったそうで。
そんな20歳の頃。アルバイト先を探して、行きつけのブランドショップの隣にあった 格好いいフレンチレストランが 自然と目に留まる。
飲食業への興味ではなく、建物の外観に惹かれて ふと入ったはずの そのお店で 誰よりも!と 猛烈に働いた。
幾重にも重ねるテーブルクロスを 他の どのスタッフより早く 真っ直ぐに まるで1枚だけかのように 敷く!とか、ナイフやフォーク類を 誰よりも早く ピカピカに磨き上げる!とか、仕事はタイムを録り。手が空けば ひたすら窓を拭く!とか、賄いを食べずに その時間も働く!とか、とにかく とんがっていた。100名さまのパーティーを ひとりでサービスしたことも。
そんな中。必然的に ワインの抜栓も 誰よりも早く!と 意識すると、練習するために開けたワインたちを 飲むはめになってしまい、じわじわと ワインの世界へ。
始まりは シチリアの Corvo Rosso、チリの Santa Rita、ラングドックの La Cuvee Mythique などの どしり、とした 赤ワイン。それから 対象的に 軽快な酸味のミュスカデ品種、次いで サンセール、と 白ワインに ハマっていった。
アルバイトのつもりが 気づけば すっかり飲食業界の人となって 6年。その フレンチレストランが 閉店することになる。
次の舞台は お寿司に合わせて ワインを飲ませる 春吉の【 忠助 】さん。
あれだけ とんがって サービスをやってきたのに、フレンチ業界と 和食の世界では 勝手が違い 最初は戸惑ったり 歯痒かったりもしたそう。
ワイン好きのお客さまが多い そのお店で。可愛がってくださる 常連さんに サンセールが好き と言うと、それから いつも、毎回、必ず、サンセールを 持ってきてくださるようになった。
同じワインを ひたすら飲むことも ワインを知る 最高の訓練となる。
そういった日々の中、ほんとうは 資格試験に 興味は無かったのだが、とんがった少年は ソムリエとなった。
お祝いに、と お客さまが開いてくださった ワイン会で 錚々たるワインを ご馳走に。
そう。泣く子も黙るであろう 5大シャトーの ひとつ、Ch. Lafite Rothschild、色々な年代の ラフィットが ずらり、の ラフィット祭り!
一同に飲んでみると 同じ造り手 同じ品種で なんとまぁ 其々の個性の違うこと! そして、その違いを表現することの 難しさ。
『 様々なワインの個性の違いを 的確に 理解・表現・サービスしていくこと、それが ソムリエとなった自身の これからの仕事。』 と その会で 意識されて、今日に至る。
『 ゲストの嗜好こそが 一番の学びです。これからも 仕事を楽しみながら 店と共に成長していきたい。』と 仰ってました。
OPIUMの オープンは 2008年5月。オピュームとは、
opium [名][U]アヘン;麻痺(まひ)させるもの だそうで。原田さん、どこまでも とんがってますねー。
文・写真 辻本美和
OPIUM ( オピューム )
福岡市中央区渡辺通5-1-22
092-732-8481
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