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小野一光さん Ikko Ono
1966年福岡県北九州市生まれ。
ノンフィクションライター。
雑誌編集者、雑誌記者を経てフリーに。「戦場から風俗まで」をテーマに、国際紛争、殺人事件、風俗嬢インタビューなどを中心とした取材を行う。
著書に『完全犯罪捜査マニュアル』『東京二重生活』『灼熱のイラク戦場日記』『風俗ライター、戦場へ行く』ほか。
最新刊は尼崎連続変死事件をルポした『家族喰い-尼崎連続変死事件の真相-』。

福岡の好きなところ、よいところは
「福岡に居たときは何も意識していなかったのですが、上京してから出張で頻繁に訪れるようになり、この街の魅力に気づきました。
いわば遅咲きの発見ですね。
まずは食。肉や魚、野菜といった素材がそれぞれ美味しいのはもとより、うどんやラーメン、モツ鍋のあとに追加するちゃんぽん麺もたまらない。
続いて酒。酒飲みに寛容で、個性的ないい店が多い。おまけに朝までやっている店もいっぱい。夜型の私にはありがたいことこのうえなし。
そして景色。歩けばいたるところに古い街並みが残っていることにわくわくし、車を運転すれば東京では滅多に見られないぽっかりした雲に心なごむ。座って海岸から見る白波や波頭のきらめきに息を呑むのは言わずもがな。
さらには人と言葉。自己主張の強い人が目立つけど、みな、なんともいえない愛敬がある。あと、女の人は芯の強い人が多いのもよし。好きな言葉は「よか、よか」。けど、古い言葉の「いぼる(泥などに足がはまる)」や「つやつける(格好つける)」などの味わいも捨てがたいものがある。
と、まあ、挙げればキリがありません。
しかし、そうした諸々の思慕を心のなかにしまい込み、東京に住み、日本全国を取材でまわるのも、嫌いではなかったりするのです。」

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