会員No.39「seed village」種村拓哉(たねむら たくや)さん

【前編~オーナーバリスタとしての挑戦~】

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*東京から福岡へ*

「コーヒーに生きる人々」5人目の紹介は「シードヴィレッジ」のオーナーバリスタである種村拓哉さんです。1983年生まれの種村さんは福岡在住4年目。高校まで沖縄と長崎・五島で過ごし、大学入学を機に上京。以降は東京に暮らしていたというが独立開業の場に選んだのは、ここ福岡。移り住んだ感想を種村さんに聞いてみた。「福岡はとても住みやすい。地域コミュニティもあって、すれ違い際に挨拶が交わされるようないい雰囲気もある。東京に住んでいた時とはやはりどこかが違います。」と話してくれた。

*激戦区での挑戦*

福岡に拠点を移してからしばらくして、種村さんは2013年8月ついに自身のお店を構える。出店したのは人通りの多いビジネスエリア「赤坂」。ご存じの通りマクドナルドやスターバックス、ベローチェにプロント、珈琲の野田など大手がひしめき合う「コーヒー激戦区」と言える赤坂で、まさしく宣戦布告。あえて客席を設けず「コーヒースタンド」として営業している。お客は「立ち飲みか、あるいはテイクアウト」で利用するスタイルだ。

*バリスタのいるコーヒースタンドを*

種村さんはかねてから「バリスタのいるコーヒーに特化したお店」をやりたいと考えていたという。「伝統的なイタリアンバールスタイルなのか、スペシャルティコーヒーを扱う新しいスタイルなのか。どちらが良いかを考え、後者を選択した。」と開業前の話をしてくれた。ワインの販売に携わった経験を活かし、一時はコーヒーとワインのお店を考えたという。しかし物件が見つかり、ビジネスマンが行き交うスタイリッシュな赤坂の風景を見た時、客数戦略で勝負できるコーヒースタンドをやろうと気持ちが固まったという。

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*コンセプトは「毎日飲みたい美味しいコーヒー」*

日中お店にやってくるのは、圧倒的にビジネスマンやOLが多い。日常的に良質なコーヒーをサッと楽しめる場としてすっかり定着しているようだ。お客の年齢層も実に幅広く、上は85歳、下はなんと7歳だとか!7歳児の子が硬貨を片手に「いつものください」とオーダーしに来るというのには驚いた。シードヴィレッジでは「コーヒー」を通して老若男女、世代や性別、国境を超えて見ず知らずの人が集まり、お店の中でコミュニティが生まれることが多いそうだ。最近始めている夜の営業では予想以上にコーヒーの需要が高く「夜にコーヒーを飲む習慣が根付いているのは福岡ならでは」だと話してくれた。

やはり福岡のコーヒーカルチャーは特有らしい。

後編では種村さんの日頃の取り組みやそのスタンスをご紹介します。

文・写真 山口美奈子

*店舗情報*「COFFEE STAND seed village」

住所:福岡市中央区大名2-4-31

営業時間 月~金:8:00~21:00 土:10:00~17:00

定休日 日曜・祝日